天然乾燥から得られるメリットデメリット。それでも天然乾燥にこだわる理由。
2017/01/27
前回のコラムにもちらっと触れましたが、
今日は天然乾燥の話をしたいと思います。
当社の天然乾燥させている材木の様子
石井工業㈱は、
基本的に材料を乾燥させる際木を天然乾燥させています。
天然乾燥とは読んで字の通り。
日当たりが良い場所に何か月も干しておき、
材料を乾燥させる方法です。
では、天然乾燥以外には
いったいどのような乾燥方法があると思いますか?
天然乾燥と人工乾燥という方法
天然乾燥以外の乾燥だと、人工乾燥があります。
人工乾燥には様々な機械設備が用いられ、
どういった方法が良いのかといった議論も多く、
一概にどの方法が一番良いといった事は申し上げられません。
そんな天然乾燥と人工乾燥ですが、
それぞれにメリットデメリットがあります。
天然乾燥の場合。
大きなデメリットとして挙げられるのが、
時間がかかることです。
一般的に、
住宅用に使用する木材の水分含有率(以下含水率)は20%以下が
好ましいと言われております。
それに対し、
伐採直後の丸太は切る時期が良いものでも、
製材をした直後だと含水率は軽く50%を超える状態です。
なので、製材したての材木を乾燥させるには、
それ相応の時間が掛かります。
逆に、天然乾燥のメリットは、
乾燥させた状態の材料でも色、つやが綺麗に保たれること。
これは人工乾燥のデメリットにも通じてくるのですが、
人工乾燥の場合、温度、湿度が管理された乾燥機に入れて
強制的に乾燥させるので、乾燥後の材料には木が本来持つ
油分が飛んでしまい、つやが出ないことがあります。
乾燥後の材料を、ひとカンナ入れて削ると一目瞭然。
もちろん、
全ての乾燥機がそういう状況という訳ではないのでしょうが、
これまでの経験上、そういった状況が多いです。
山武杉の場合、他の杉と
比較してももともと油分が多く含まれている材木ですので、
材そのものの良さを引き出す為には人工乾燥より
天然乾燥の方が適していると当社は考えます。
最後に、人工乾燥のメリット。
なんといっても乾燥時間の短縮です。
天然乾燥の場合、材によっては数か月かかる乾燥時間も、
人工乾燥は数週間から一か月程度で同水準の含水率まで
持っていくことができます。
天然の乾燥ができるのも材木屋だからこそ。
山武杉へのこだわりは、時間と手間との勝負です。