木の家を建てたのに・・・
2015/11/26
先日、yahoo!知恵袋を見ていたら、こんな質問がありました。
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木の家を建てて半年も経ったのに、
冬の夜、パシッ、パチンと木の割れる大きな音がします。
大丈夫でしょうか?
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大丈夫です。
とはっきり書いちゃいますが、実はこれ、結構気になる方がいらっしゃるみたいで、
当社が施工させて頂いたお客様でも、この質問はよく頂きます。
乾燥中の材木
どうしてこんなことが起きるのかというと、
まずは使われている構造材や柱材が、芯を含んでいること。
木というのは芯を含んでいて、乾燥をしてくるとどうしても割れが
生じてしまいます。
おじいちゃんの家などの古い家の和室の柱などご覧になるとわかると思いますが、
結構柱の側面に割れが入っているという経験みなさんはございませんか?
これは、上記の理由にあります。
そして2番目が、
上棟時や施工時に取り付けた材がまだ十分に乾燥しきっていないこと。
材料を使用する上で乾燥しているというのは大きな条件です。
しかし、一般的に市場に出回っているような材や、
我々のような材木屋が準備している材木で施工時に十分に乾燥しきっているもの
(具体的には含水率が20%以下)となると上棟までに相当な時間を要します。
理由は、天然乾燥をしているからです。
乾燥については、前回のコラムでも触れましたが、
大きく分けて天然乾燥と人工乾燥の2種類の方法があります。
天然乾燥から得られるメリットデメリット。それでも天然乾燥にこだわる理由。
天然乾燥は読んで字のごとくで、大き目の寸法でまずは製材し、乾燥させて狂いを
とる形で使用時に必要な寸法に再度製材する方法。
人工乾燥については様々な方法と様々な乾燥機械があります。
ここでは一部を説明させて頂きますが、材料を低温の温度に保った機械の中に入れ、
2週間程度置き乾燥させる方法や、水蒸気を用い木の中の水分を強制的に抜くといった
ものもあります。
ですが、人工乾燥にかけた場合、
本来木が持つ油分が抜け、強制的に乾燥させるため材料が曲がってしまうといったデメリットもあります。
材木の人工乾燥についてはこれまで様々な方法論が論じられ、様々な機械が出回って
おりますが、一概にどれが一番良いというのが決められない状況で、その理由がこれです。
以上より、当社は天然乾燥を用いておりますが、一般的には天然乾燥が多いと思います。
ですので、知恵袋にもあったような疑問が出てくるのかなぁと。
結論だけ先に書いちゃいましたが、この木の割れる音というのは木が乾燥してきている
証拠なので、例えば家が壊れちゃうんじゃないかといったようなことには全く関係がありません。
新しい家に住んでいるという一つの証拠ともいえる現象です。